結婚したくてなにが悪い?!
『おいおい、こっちが名のる前に名前呼ぶなよ?おれおれ詐欺だったらどうするんだよ?』
「ウフフ…私は詐欺に合うような年じゃないよ?それに、今でも祐人の声、覚えてるよ?」
『え?』
「嘘。声を覚えてるって言うより、クセを覚えてるって言うのかな?祐人って電話かけるとき緊張するでしょう?それが出て、少しどもるんだよね?」
『マジか…カッコ悪ー!』
「私はカッコ悪いなんて思ったこと無いよ?」
『…ありがとう。あっ結婚するんだって?おめでとう!』
「…ありがとう」
『どうした元気無いな?』
「そんなこと無いよ?」
『なら良いけど、今度はちゃんと、自分を曝け出せよ?』
「え?」
『心に甲冑なんてつけず、相手に甘えろ?真っ裸の自分を見せてやれよ?俺は恭子の甲冑を脱がしてやれなかったけど?ほんと情けなくて悔しかった…』
祐人言われてハッとした。
祐人の事尊敬してたし、好きだった。彼と結婚したいと思ったのも本当。でも、祐人の言うように自分を曝け出す事は出来なかったかも…