結婚したくてなにが悪い?!
彼への気持ちが膨れれば膨れるほど、迷いが出てくる。
「私はホテルマンという仕事が好き!この仕事を続けてちゃだめなの?どうして好きな人と結婚出来ないの?家族を作ることが出来ないの?
どうして、仕事か結婚か選ばなくちゃいけないの?ねぇ教えて!私はどっちを選べば良いの?
教えてよ!お願い…お願いだから私に教えて…」
私は子供のように泣きじゃくり、彼の胸を叩いた。
消え入りそうな小さな声で彼は「すまない…」と言った。
違う…大田さんが悪いんじゃない。
これは私が自分で出した答えなのに…
「すいません。やっぱり私、ちょっと疲れてたみたいです。帰ります。お疲れ様です!」
「おい待て!そんなツッコミどころ満載の顔してほっとけるか!送ってやるから!」
逃げ帰ろうとする私の腕を、大田さんに掴まれ逃げれなかった。
そして大田さんは、そのまま私を家まで送ってくれた。
送ってくれる車の中でもずっと握られた手から伝わる彼の熱が身体中に広がっていく
このまま溶けてしまいそうなくらい
マンションに着くと、大田さんの手を私から離した。
「ありがとうございました。お気を付けて」
「俺に愛される覚悟あるのかよ!?」
いつも自信満々の顔して、何があっても動じない彼が、真っ赤な顔してそういった。
「えっ?なっなにいってるのですか…?」
思春期満載の様な顔して…
「いいおじさんが? ばっ馬鹿じゃないの!?」
「ああ、自分でも馬鹿だと思うよ? こんなにもあんたに執着するとは思わなかった。」
エレベータに乗り込むと、大田さんからの抱擁を受け私もそれに応えていた。
駄目だと分かっていても、私達は部屋に雪崩れ込み、そのままベットで体を重ねた。