結婚したくてなにが悪い?!

「我儘は信頼してる相手にしか言えない」と友達の梨華に言われた事がある。

誰よりも…
何よりも…
大事にしてほしい

私だけを見て…
私を想って…
私だけを愛してほしい

本当は…
それだけ…
ハイスペックなんて関係ない

ただ…
私だけを愛してくれるだけでいいのに…

彼は何度も「ごめんな…?」と囁き口付けしてくれる。

私達は堰が切れてしまい一生分の愛を伝えあった。

私だけを見て
私の声だけを聞いて
私だけに触れて
私だけを抱いて

私に、こんなにも強い独占欲が、あったなんて知らなかった。

もっと…
吐息に濡れる私を確かめて
もっと…
私の躯を熱く溶かして

もっと…
私の躯に刻みつけて
あなたの験を…
消えてしまわないように…

突き上げて…
私の奥深くまで
あなたでいっぱいにして…
あなたを愛した事を忘れないように

もう覚えてしまった、彼が吸ってるタバコの匂い…
手首の形…大きい掌…長い指…
思い出すだけで、目頭が熱くなる。

「………んっ」
頭の中が痺れてゆく、私の身体の中の何かを
奪ってゆく。

こんなの初めて
キスだけで全身の力が抜ける
そして駆け抜ける快感
「ぁ…」

乱暴に服を剥がれても
強引に組み敷かれても
触れられる事が嬉しい

彼の触れるところが熱い
彼の手が…唇が…
触れたところから熱を持ち
私の身体を熱くする

「は…っあ…」
好きだとも…

「あ…いや…っ」
決して愛してるとも言っては貰えない

でも…
触れる手が
抱く腕が
見つめる瞳が

私を愛している
まるでお前が欲しい…と言われてると錯覚してしまう

ねぇ本当に身体だけなの…
でも…
私は身体を求められて喜びに満たされる
自分のこの気持ちに背を向けられるのだろうか…




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