結婚したくてなにが悪い?!
スイスに来てもうすぐ5年年になる。
通常インターンシップは2年なのだが、私はホテル大学に通いながら、勤務という事で特別に5年の期間が貰えた。これも穣さんのはからいだろう。何から何まであの人には足を向けれない。
今日は仲の良いメンバーが珍しく揃って、昼休憩に入っていた。
「キョウコもっと食べないともたないよ?」
「これ以上食べたら太っちゃう…」
「それはワタシにたいしてイヤミですね?」
彼女はイタリヤ人のサリー。
親友でルームメイトでもある。
特にサリーの食べる量はハンパない。
サリーを見てると由美を思い出す。体型は由美と全然違って、少しぽっちゃりはしているが、優しくて面倒見がいい所は由美にそっくりだ。
「違う違う、サリーは綺麗でとても魅力的よ?」
「魅力的なのはワタシも認めますね!」サリーがそう言うと周りから笑いが起こる。
「もぅサリーったら アハハハ」
こちらに来ていろいろ苦労した。
でもサリー達にどれほど励まされ、支えて貰ったことか…
彼等がいなければ今の私はなかったかもしれない。
「キョウコのその細い体のどこに、あれだけの体力があるんだろうね?怪人とかジャパニーズニンジャて、言われてるの知ってる?」
「なにそれ?」
私が怪人? ジャパニーズニンジャ?
「こなす仕事量の多さに、同時に3ヶ所で仕事してるとこ見たとかいう噂?」
っな訳無いじゃん!
「あっ俺も見た見た!凄い素早い動きだった。キョウコはニンジャね!」アメリカ人のクリストファーが面白そうに言う。
「ワタシは5ヶ所って聞いたよ?怪人だって?」
「確かにキョウコは怪人だね?こんなに華奢なのに、仕事こなす量は男の俺より多いもんな?」フロントマネジャーのトミーまでもが楽しそうに言う。
「もぅひとを化け物みたいに言わないで?」
サリーや彼等と過ごすこの時間はとても楽しい。彼等がいてくれたお陰で、私は今まで頑張ってこれた。