結婚したくてなにが悪い?!
「大丈夫です。限られた時間ももう僅かなので、休んでいられませんから?」
私がここを離れる時まで一ヶ月を切った。少しでも多くの事を習得して、ホテルマンとして少しでも大きくなりたい。
「気持ちは変わりませんか?ワタシがキョウコを帰したくないと言っても?」
「はい!」
「そんなにはっきり言われると、ワタシもイジワルしたくなります。
さくらホテルを買収して、無理にでもキョウコをワタシの元に置いておくという手も有るのですが?」
「お金の力ですか?」
「そうですね?ワタシは欲しい物は全て手に入れる男です」
真っすぐ向けられるラウリンの瞳に、思わずクラっときてしまいそう。
この人の側にいれば幸せかもしれない。
大好きなホテルマンを辞めることなく、お金も地位も愛も全て与えてくれる。これ程ハイスペックな男は居ないだろう。