結婚したくてなにが悪い?!

あれから3日が過ぎ彼が部屋に帰って来た。買い物袋を沢山ぶら下げて…

「な、なに? その大量の買い物は?」
「あ゛? ああ、そろそろ冷蔵庫も空になる頃だろ?」

いやいや、冷蔵庫にはまだ沢山有りますけど?って言うかほとんど食べてない。
彼は買って来た食材を入れる為、冷蔵庫を開けた。

「なんだこれ? あんた何も食ってないじゃん? 俺の部屋で餓死とかやめてくれよ?」
「きゅうり食べたし…」
「カッパか!?」

キッチンにあったリンゴも食べました!

彼は冷蔵庫の中のものを取出し「これ、もうだめじゃねぇ?」「腐ってるし…」ぶつぶつ言いながら、ひとつひとつ確認し、そして、買ってきたものと入れ換えていた。

「仕方ないじゃん… 片手じゃ思うように材料切ることもできないんだもん…」
「それならそうと連絡くれれば… って連絡出来ないか? 携帯の番号教えてなかったもんな?」

いや、教えてもらってても、連絡はしないけどね!
まさか『片手じゃ何も出来ないから、帰って来て?』なんて絶対私には言えないし、私達は言える様な仲では無い。

「パスタで良いか?」
「え?」
「腹減ってるだろ?」と言って彼は手際よく作ってくれた。

「なにこれ、めちゃくちゃ美味しい❣❣ スープもサラダのドレッシングも美味しい❣ 3つ星レストランなんてめじゃない!ってくらい美味しい❣」

3つ星レストランなんて行った事ないから、どれ程の味か知らないけど、マジでこれ美味しい。

「お褒め頂いてどうも?」
「ねぇ料理は何処で覚えたの?」
「まぁ食べ歩く事は好きだし、ひとり暮らしが長いとこれくらいは作れるようになるさ?」

そうかな?
裕人なんてなにも作れなかったけど?
部屋に行っても、裕人にコーヒーひとつ入れてもらった事無い。
まぁやる気の違いかな?




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