結婚したくてなにが悪い?!
「お前あの時の!?」
「女が構ってくれなくて、寂しいから浮気した? 怒ってくれないから浮気続けた? ガキか!? 彼女を手放してから、彼女の大切さを気付いても遅いんだよ!」
「煩い! お前に何が分かる!」
「ああ、分からないね! 好きな女に乱暴するクズ野郎の気持ちなんて分からねぇよ!」
「チクショー! バカにしやがって!」
祐人は大田さんを殴ろうと胸ぐらを掴んだが、大田さんは、それになにも抵抗するつもりもない様で、微笑みすら浮かべていた。
「なにが可笑しい!?」
「祐人止めて!」
「殴りたきゃ殴れよ? あれだけ証人が居りゃー、あんたに勝ち目ないぞ?」
大田さんはそう言うと、親指を立て会場内を指差した。会場の中では何事かとざわめき始めている。大田さんは、まるで祐人をけしかけてる様だった。
「…クッソ!」
会場の様子に気がついた祐人は、大田さんから手を離したが、このまま終わらせるつもりはない様でニヤっと笑った。
「…お前達の会社社内恋愛禁止だったよな? お前達が付き合ってる事リークしてホテルに居られなくしてやる! 絶対おまえ達を幸せになんかしない!」と、悠人は勝ち誇った様に笑みまで浮かべた。
嘘っ…
「祐人、太田さんは関係ない! 彼とは付き合ってないの! あの時は私を助ける為に太田さんが嘘ついただけ! それにこれは私と祐人の問題でしょう!? 彼を巻き込まないで!」
「付き合って居ようと居まいと、もうどうでも良い! 俺をバカにする奴は許さない!」