結婚したくてなにが悪い?!

ワンルーム。
〇〇線△△駅 徒歩5分
賃料 12.7万円  共益費 6000円

東京ってどうしてこうも高いんだろう…

あのアパート木造で古いけど、大家さん凄い破格にしてくれてるんだ…
あぁ…やっぱり引っ越しなんて無理かな…
もう少し離れないとダメか…

「どうしたのよ? さっきから溜息ばかりついちゃって?」

今日は準夜明けの由美と久々にカフェランチをしていたのだが、私はここに来る電車の中で見ていた住宅情報を思い出し、溜息をついていた。

「アパートをねぇ… 由美どっか良い所知らない?」
「どっかって言ってもね… ホテル(会社)の近くだと家賃高いし… かと言って、離れると通勤が大変だしね?」
「そうなんだよね… 由美は良いなぁー。 会社からも駅からも近くて?」
「まぁ私は兄貴様々かな?」

由美は、今、海外勤務で留守にしてるお兄さん夫婦のマンションに住んでいる。 その為家賃の心配は無いのだ。

「まだ当分帰って来ないんでしょ?」
「みたい。 子供育てるのにも向こうが良いからって、義姉さんも帰りたくないって、言ってるしね?うちの親は孫に会えなくて、寂しいがってるけどね?」
「お正月には帰って来てるんでしょう?」
「それがさ、今年はチビが風邪ひいたとかで帰ってこなかったのよ! それで、もう煩かったこと! 私に、この際結婚はしなくてもいいから、子供だけでも産めって!」
「えっ?」
「ありえないてしょ? 父親が実の娘に向かって、子供だけでも産めって…」
「・・・」
「私まだ31だっちゅうの! 結婚だってまだ諦めてないし、今なんて40になってから子供産むひと珍しくないじゃん!?」
「確かにね…」
いろんな意味でハードそうだけだ…




< 62 / 199 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop