結婚したくてなにが悪い?!
「ところで恭子、あんたがお世話になってる人って、何処の誰? 親戚じゃないんだよね?」
「え?… うん。」
由美にはまだ、大田さんの事は話してなかった。どう話していいのか分からず、なんとなく誤魔化していたのだ。
「恭子が世話になれる友達って… あの子は実家ぐらしだし… あの子は彼氏と同棲してるでしょ…」
由美は私の学生時代の友達と何度か飲んだ事がある。だから私の交友関係はほとんど知っている。その私の交友関係を消去法で消していってるようだ。
「ねぇ五木ちゃんって、まだ九州から帰って来てないよね?」
「えっ? 五木って、いま九州なの?」
「そうだよ? 新しい店舗の立ち上げで、先月から行ってるよ?」
なんで私の友達の予定を、私より由美の方が知ってるのかホント不思議だわ…
「まさか男!?」
「!?…えっと… 当たらずも遠からず… かな?」
由美は私の返事に驚いて、腰を上げ前のベリに食いついて来た。
「ちょっと! いつ彼氏が出来たのよ? 私聞いてないよ!」
そりゃー言ってないもん!
彼氏じゃないし!
「ほら、さっさとゲロって楽になりな?」
由美は私の肩に手を置き微笑んだ。
こうなったら、もう話さないと終わらない。
「彼氏じゃないって…」
私は由美に大田さんの事を話して聞かせた。