結婚したくてなにが悪い?!

「ちょっとこの荷物、何とかならないの? マジ狭い!」

カフェを出た後、今話題になってる映画のチケットが有るからと、由美に誘われ、私達は映画を見る事にした。

今一番の話題作とあって学生も多く、平日なのにほぼ満席状態。その為コインロッカーが空いて無くて、私の荷物のキャリーバッグとボストンバッグが、私達の足下を占領しているのだ。

「ごめん…でも仕方ないじゃん…ロッカー空いて無いんだから」

出歩く前に、荷物を家に持って帰ればと、誰もが思うでしょうが、それはそれで出来ない事情が私には有ったのだ。

大田さんの部屋を出て、多荷物を持ちアパートへ帰ったのですが、部屋の鍵を持ってない事に気付いたのです。
祐人が部屋の鍵をこじ開けた事で、流石に鍵を替える事にしたのだが、その手配を大田さんが引き受けてくれて、その新しい鍵を大田さんからまだ貰って無かったのだ。

「で、大田さんとは連絡とれたの?」
「まだ…既読つかない。」

大田さんにラインで連絡してるのだが、未だに連絡は取れていない。このままだと今日も、自分の部屋に帰ることは出来なくなる。

「ハァ…仕方ないね…? 時間潰してバーの方に顔だそう? 私も噂のバーテンに会ってみたいし?」
「ごめんね?」




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