結婚したくてなにが悪い?!
柊真 Site
屋上への扉を開けると、満天の星とはいかないが、今夜も小さな輝きを見せてくれる。コートのポケットから取り出した煙草を咥え火を点ける。今や俺の日課になってる屋上での一服。
あの頃に比べたら随分星の数が減った気がする。
それだけ明るくなったということか…?
自ら作り出した紫煙に目を細め、夜空に消えていくのを見送る。
ここに戻って来てもう2ヶ月になる。役職こそ免れているが、やっはりあの人も諦めない様で、最近面倒な書類を回して来やがる。そろそろあの人も痺れを切らし始めたという事らしい。だからと言って、あの人の思い通りになるつもりも無い。ただ、このホテルだけは守りたい。
さぁどうするかなぁ…
最後に紫煙を吐き出すと、携帯灰皿に吸い殻を押し込む。
「さて、戻るか?」