結婚したくてなにが悪い?!
着たこともない高級ブランドに気後れしていたが、鏡に映る自分の姿に思わず見惚れてしまう。
結構似合うじゃん!
私はモデルにでもなった気分でポーズをとって鏡に映る自分の姿を見ていると、突然ドアが開いた。ノックもなしに開けたのは大田さんで、そして大田さんは「サイズはいいようだな? 細く見えるけど、結構合ったもんな?」と言って自分の掌を椀型にして見せた。
なっなにこいつ…!? ギョッとする私に次に声をかけたのは生田さんだった。
「おっにあうね? サイズもぴったりじゃないか?」
「だろ? 俺のゴッドハンドは、いまだ衰えてなかったよ!」
「おいっ柊馬! まさか彼女に手出したんじゃないだろうな?」
「まだ挿れてねぇよ! じゃ深田連れて一回りしてくるわ?」
付いてこいと言う大田さんについて私も事務所を出た。
その時「柊馬!少し…」何やら叫んだ生田さんの声は扉で遮断されてしまった。
「ねぇ生田さん何か叫んでたけど?」
「気にするな! お客様は待ってくれないんだ? 休んでられるか?」
私は大田さんに連れられエグゼクティブフロアへ、やって来た。
本当にこの人がエグゼクティブフロアのコンシェルジュ?
いつから?
「ねぇ? 大田さんって、バーテンダーだったんじゃないの?」
大田さんの背中に疑問に思ってるそのままを投げ掛けた。すると大田さんは振り返りチラッとこちらを見ただけで、何も言わない。
なんなのアイツ!?
昨夜あんな事しといて、飄々として ムカつく! マジムカつくわ!
「あんたマジムカつくんですけど!!」
「表に一歩出たらプライベートは忘れろ!」
「はぁ? プライベートって…あんたが変な事したからでしょ!?」
「随分機嫌悪いな?」
「当たり前じゃない!!」
「昨夜あんな事しといて、よく平気な顔出来るわね!?」
「そんなに怒るなよ? なんなら、昨夜の続きする?」
「はぁ? 続きってなに言ってるの!?」