結婚したくてなにが悪い?!

目頭を押さえ「失礼します」と一之瀬様の部屋を離れた。

「80点!」
感動してる私に冷やかに言う大田さん。

「は、80点…? じゃ、後の20点は、何が足らなかったんですか!?」

別に、100点が欲しくて動いたわけじゃない。お客様…エミちゃんの笑顔がみたくて動いただけ、言うなれば自己満足の為だ。でも、実際点数を付けられると悔しい。
なにがダメだったのか?
なにが足りなかったのか?知りたい!

「ホテルからだと言うなら、もっと豪華な花束を用意しろ! 相手は大株主だぞ?」
なにが?と思っていたら、花の豪華さだ?
なんだそれ?

「どんなお客様だろうと、今の私には関係ありません!」
ふん!
あれでも結構したんだからね!?
自腹なんだから合格点くれても良いじゃん!

「まぁ80点は及第点と思って良い。それから花束の領収書とぬいぐるみの領収書出しとけ?」
「そんなのもうありませんよ!」
「はぁ? お前バカか! 自腹のつもりだったのか?」
「だって! まだ、内示であって、バトラーじゃないし、経費で落とせるなんて思いもしなかったんだもん…プレゼントは私の気持ちで行ったことだから…」
「あのヌイグルミ、どこで見つけてきたか知らんが、随分値が上がってたろ?」
「えっそうなの…?」
「お前買ったんじゃないのか!?」
「買ったと言うか、譲って貰ったけど、まだ支払いは済ませてない…」
「探してる時点で値段位見てるだろ?」
「そんな余裕なかったし…そんなに高いの…?」
「今、100万まで値が上がってるぞ?」

ひゃ、100万!?
ダイヤでも付いてたの?
嘘でしょ…
自腹なんて無理…
宣美になんて言おう…

「仕方ない…金の相談は明日のってやるよ!」




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