19歳。
別に美容やファッションに興味がなかったわけではなかったが、面倒くさがりな私は毎朝早起きして化粧なんてできる余裕なんてなかった。
「まあそうだよね、高校生になったもんね。少しやってみようかな」
とりあえず話を合わせておく。
友達の様子を伺いつつ、そう言えばこの話は終わると思った。
しかし返ってきた言葉は、私がコンプレックスのきっかけになる一言。
「あ、瑠李一重なんだね。目が重たく見えるし、化粧映えするのは二重だよね~」
多分、悪気があったわけじゃないと思う。
言い方で勘違いされてしまうというか、言い方が悪いけど下手な人。
そんな気持ちで軽く受け止めたが、その日から毎日鏡を見る度に気になりだした。
確かに言われてみれば重そうな目だ。
少し非対称なのも気づいた。
その翌日、私はまだアルバイトなどしたことがなかったので余ってたお年玉で薬局でプチプラコスメと呼ばれる化粧品を1から揃えた。