強引部長の独占ジェラシー
そんなことを考えていた時、誰かに肩をポンと叩かれた。
「ねぇ、一緒に飲まない?」
振り返ると、そこには色白で背の高い明るいブラウンの髪の男が立っていた。
右手にグラスを持って、貼り付けたような笑顔を浮かべる彼は「ひとりじゃ寂しくてさ」とつぶやいた。
ひとりじゃ、寂しい……。
ひとりだとどうしても思い出してしまう。
私はこくん、と頷いた。
嬉しそうに私の隣に座った彼は吉田と名前を名乗った。私も自分の名前を名乗ると、吉田さんはすぐに私の名前を呼ぶ。
「じゃあ純夏ちゃんって呼ばせてもらうね」
こういうの……慣れてるんだろうな。
すぐに分かった。
彼はIT企業のシステムエンジニアで部内リーダーらしく、俺が仕切って仕事を回しているんだと言っていた。
「システムエンジニアのリーダーを任されてるとさ、やっぱり言い寄ってくる女性が多いんだけど……」
ぺらぺらと聞きもしない自分の情報を話す吉田さん。自分の話をしなくていいのは楽だけど、話していて時を忘れられそうには無かった。
自然とお酒が進み、グラスが空になる。
「あっ、もう無くなっちゃったね。次は何飲む?」
「えっと……じゃあ同じものを……」