強引部長の独占ジェラシー
グラスが空になったタイミングですぐに次のお酒を進めて来るのが上手かった。
何杯か飲むと思考がぼんやりとしてきて、あまりしっかり考えられなくなって来る。
「あれ、ちょっと酔ってきた?」
「うん。だからもうちょっとストップで……」
「でもさ、飲みたい気分の日ってあるんじゃん?純夏ちゃんだって明日休みなんだから、今日は思い切って飲もうよ」
流されるままに飲むことになってしまい、まだグラスに入っているのに、次のお酒を頼まれる。
ああ、なんかもうヤバイかも。
お酒が回りクラクラして来た頃には男は立ち上がり、すでにお会計を済ませているところだった。
肩を抱かれ、支えられるように店を出ると吉田さんは強引にどこかに連れて行こうとしていた。
「あの、どこに、行くんですか?」
必死に紡ぎだした言葉は断片的なもので焦点が合っているのかも怪しい。
「どこって決まってるだろ?このままじゃ帰れないからどこか休めるところに」
しかし、その言葉を言われた時身の危険を感じて我に返った。
「か、帰れます!」
男を振り払い、歩き出そうとするけれどよろけてしまって再び肩を抱かれる。
「ほら、だから無理だってこの近くにホテルがあるからそこに……」