強引部長の独占ジェラシー


何度、自分に言い聞かせても好きだと思ってしまう。どうせなら、放っておいてくれれば良かったのに。

もう期待なんてさせないで、欲しいのに。


「部長には……関係ないじゃないですか」

私はつぶやくように言った。


「何?」

「私だってそういう気分の時もあるんです!」

「男と遊びたい気分か?やめておけ、お前には向いてない」

「そんなこと、勝手に決めつけないでください!どうせ私が出来ないってバカにしてるんでしょ」

「川島。酔いすぎだ、頭を冷やせ」


部長から伸ばされた手はパシン、と振り払った。


「そうやって……部長はいっつも無かったことにするんです。でもそのクセいつも私の目の前に現れる。ズルいんです……いっつも、いっつも」

「川島、」

「そうやって言うなら……部長が相手して下さいよ。アソビでいいです。傷付いたっていい。大事にしてくれなくていいので……」


ーーダン!!!

私がそこまで言った時、部長は私のすぐ横にある壁にドンっと手をついた。


「川島がそんなこと言う奴だとは思わなかった。ガッカリだ」


その目は見たこともない冷たさを放っていた。


ああ、これでもう部長に嫌われた。


< 126 / 186 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop