強引部長の独占ジェラシー
でも……これでいいんだ。
そう思っていた時、部長にぐいっと手を引っ張られ、私は前へよろけた。
「ついて来い」
「あ、あの……どこに行くんですか?」
「相手をして欲しいんだろ?」
「えっ、」
私はビックリして目を見開いた。
しかし、そんな私の反応を見ることもなく、部長はただひたすら無言で、私の手を引くとそのままどこかに向かっていた。その間に何度か部長の名前を呼んだけど返事が返ってくることは無い。
何分経ったのだろう。
きっと10分程度のことだったのに、私には長い時間に感じられた。
部長が足を止めた場所はホテルの目の前だった。
「あの……」
「怖気づいたか?」
その質問に何て答えたらいいのか、考えていたら部長は返事を待たず、私の手を引き中に入った。
どうしよう……。
部長の考えていることが分からなくて怖くなる。
確かに自分で言ったこと。だけど、まさか部長が乗ってくるなんて思ってもいなくて、身体が強張った。
これから部長と、どうなるのだろう。
繋がれた手に温かさはなく、ただ私を動かすために使われていて、切なく思った。
適当に選んだ部屋に流されるままに連れてかれ、半ば強引に部屋の中に入れられる。
パタンと虚しい音を立ててしまったドアをいつまでも見つめていると部長は冷たい目で言った。