強引部長の独占ジェラシー
ドクン、ドクンとなる心臓はいつものような温かなものではなくて、警告音のように鳴り響く。
「…………。」
シーンと静まりかえる部屋に部長がネクタイをしゅるっと外す音だけが響いていた。
緩め終えたネクタイを床にそっと落とすと、今度部長は私の服のボタンに手をかけ始めた。
ぷち、ぷちっと上から順番にブラウスのボタンを外してく。部長の手がだんだんと下がってくることに恐怖を覚えて私はぎゅっと目を瞑った。
「部長、やっぱり……」
「やっぱりやめよう、か?そんな言葉、男に通じると思ってるのか?お前が言ったんだろう。アソビで構わないから相手をしてくれと」
「っ、」
まだどこかで期待していたのかもしれない。
手を伸ばしたら握り返してくれる、と。
嫌だと言ったらやめてもらえると。
しかし、部長はやめてくれることは無かった。
私の服のボタンを全て外すと、ぐいっアゴを持ち上げ、そのまま噛み付くようなキスを落とした。
「……っ、んん!」
優しくない、荒々しいキス。
「っふ、んぅ……」
角度を変えて何度も何度も啄ばんで、酸素を取り込む時すら与えてくれない。
苦しくて、辛い、そして悲しい。
そんな感情が行きつく先には何があるのだろう。
「っんん……ぅ」
幸せ?妥協?
それとも虚しさか。