強引部長の独占ジェラシー
彼が鼻で笑ったのは私が本気で返して来たからか、それとも答えた答えがあまりにも子どもっぽいとか思われたからか。どちらも大いにあり得るから恥ずかしくて仕方ない。
誰だって部長に急に迫られたら、頭がパンクする。うん、そうだよ。だからああやって答えてしまったのは仕方ない。
そう考えるしか自分を救える余地は無かった。
あの後。
『遅くまでお疲れさん、明日も寝坊するなよ』
結局、部長はなんでこんな質問をしたのかも、フラれたことについても何も話さなかった。
ただ私にねぎらいの言葉をかけてその場から去ってしまった。
残された私は、ぐるぐると色んなことを考えていた。
完璧と言われている部長がどうしてフラれてしまったんだろう?
とかあの質問の意味はなんだろう?とかそんなとりとめのない事を一晩中考えていたら寝られなくなってしまった。
朝起きると当然のように目の下にクマが出来ていて、重たいまぶたを持ち上げて出社する羽目に。
鈴村さんにも休んだ方がいいって心配されちゃったし、今日は体調がよくないから早く家に帰って休もう……。
そう決意した私を笑うかのように、大量の仕事を突きつけられたのは、それから3分後のことだったーー。