強引部長の独占ジェラシー
ドキン、ドキンと強く音を立てる心臓は部長にも聞こえてしまってるんじゃないかというくらい激しく胸を打つ。
それだけで、もういっぱいいっぱいなのに部長は私の耳元に唇を寄せると甘い声で言った。
「お前に触れたい」
ーードキン。
そんなこと言われて、頭が真っ白にならないわけ無かった。
「あ、あの」
そんな意味のない言葉を零して、彷徨わせた手を部長はぎゅっと握る。すると部長は私の耳に短いキスを落とした。
「……っ。」
ちゅっ、と響いた瞬間びくりと身体が跳ねる。
「弱いのか?」
なんて意地悪に笑う部長がいつも以上にカッコよく見えて私は勢いよく目を逸らした。
部長の手の中から逃れようと前傾姿勢になり、もぞもぞ動くとぐっ、と腰を引かれて引き戻される。お仕置きだ、とでも言うようにふっと耳に息をかけられて変な声が出た。
「ひゃっ、」
これ以上はもう限界だ。
そう思った私は必死で話を逸らした。
「あの、部長……言わなくちゃいけないことがあったんです」
「なんだ?」
聞き返してはくるけれど、全く離してくれる様子はない。私は真っ赤になった耳を両手で抑えながら言った。