強引部長の独占ジェラシー
「あの、河原くんにまだ返事を返していなくて……その明日言おうと思っていて……」
「このタイミングで別の男の名前を出されると、あまりいい気はしないな」
はっ、と気づけたけれど遅かった。すみませんと言葉を伝える前に部長は優しく私の身体を押し倒した。
「おわ、っ……と」
どさり。
柔らかいクッション生地に背中を支えられ、正面では部長が覆いかぶさるような体勢で見つめてくる。
「ごめんなさい、私……っ」
「いい。見苦しい男の嫉妬だ。スルーしてくれて構わない」
そうは言いつつ、部長は私を見つめて離さない。責めるような視線ではなくて、愛おしげな目を向けてくるものだから、余計に恥ずかしくてさっきからバクン、バクンと音を立てる心臓はすでに限界を訴えているようだった。
部長から顔を背ける。
「川島、こっち向いてくれ」
「……や、です……」
「どうしてもか?」
「どうしてもです」
「仕方ないな、怒ってくれるなよ」
そんな声が上から聞こえてきた時、私はくいっ、顎を持ち上げられ、そのまま唇を奪われた。
「んぅ……っん。」
ちゅっ、と一度優しく重ねてからゆっくりと角度を変えながら唇を啄ばむキスだった。