強引部長の独占ジェラシー
11.告白の返事と余裕
ぎらり、と差し込む陽射しは強く、いつもなら嫌になってしまうような気温でも気持ちというものは強いもので、部長に会えると思うとそれすらも気にしない。
昨日は車で家まで送ってもらって部長と別れた途端に寂しさが降って来た。
たった今会ったばかりなのにもう会いたい。
まるで10代の恋愛のようだった。
「川島、この仕事の処理を頼みたいんだが……」
「はい、分かりました」
さすがに職場まで感情を態度に出すことはないけれど、内心はバレてしまわないか、とか昨日の部長の顔を思い出して顔に出てしまわないかとか、ドキドキだった。
「よろしく頼んだぞ」
しかし、部長の方は私よりもそれがはるかに上手で、昨日の表情はまるで嘘だったかのように私に仕事を頼んできた。
やっぱりすごいな……。
関心しつつ資料を片手に廊下を歩いていると、河原くんが向こう側からひらっと手を挙げた。
「純夏ちゃん」
言いたいことがあったようで、私にかけよると小さな声で言う。
「今日さ一緒にご飯でもどうかな?寄りたいお店あるんだよね」
私にも言わなくちゃいけないことがある。
昨日、部長は私を送った時最後に言葉をかけた。
『ゆっくり話して来い』