強引部長の独占ジェラシー

まっすぐと目を見て答えるのが誠意だと思った。

「嬉しかったよ。そう言ってくれて……でも、ごめん。好きな人がいるの」

「うん、なんとなく分かってた。部長だろ？」

「ええっ……！」

河原くんの言葉に私は思わず声をあげて瞬いた。

「純夏ちゃん、分かりやすすぎ。だって顔に出てたもんな〜」

「き、気づかなかった……」

「そんなことだと思ったよ」


私が思わず顔を覆ったところで、料理が次々に運ばれて来た。ずらりと並んだ料理を前に河原くんは「さ、食べよう」なんて言って手を合わせた。


「フラれることもなんとなく分かってたんだ。だからまぁ、ショックではあるけどなんとなく予想はしてた」


小さく笑う河原くん。私が俯くと、彼は柔らかな表情を見せて言った。


「そんな顔しないでよ。はっきり言ってもらえてスッキリしたし……今日は食事がてら話でも付き合ってよ」


こくんと頷く。

それから河原くんはいつも通りの話をして私を笑わせた。社内にいる課長の話とか尊敬している上司のこととか、何事も無かったように話をするから気を遣ってくれたんだって痛いほど分かった。


「あ〜食べた〜やっぱりこの店美味いな」