強引部長の独占ジェラシー
「美味しかったね~」
払うと言って来たお会計はどうしても払わせてほしいと頼んで、結局お互いに自分の分は払うことになった。
「ありがとな。付き合ってくれて」
「ううん、」
「てかこれからも普通にご飯付き合ってくれよ?」
「もちろん」
夜風にあたりながら私たちは駅まで向かう。少し冷えた夜の風はアルコールの熱を冷ますのにちょうど良かった。
「じゃあまた明日」
少し身体が冷えて来た頃、私たちは駅に着いた。私と駅が真逆の河原くんとは改札で別れ、陽気に「また明日」と手を振る河原くんの背中を見送った。
私も……帰ろう。
そう思っていた時、カバンの中で携帯がふる、と震えた。
取り出して見てみると1件のメール。
部長からだった。
【今日、もし会えるなら会いたい】
シンプルな文面が私の心にすとん、と入ってきて、自然と頬を緩ませる。不自然にニヤける顔を必死に抑えながら私はすぐに返事を返した。
終わって今、駅にいることを伝えると【了解】とだけ返って来て、10分も経たないうちに部長はやって来た。
「すまん、待たせたな」
「いえ。お疲れ様です」
「とりあえず川島の家の方まで行こう」
「はい」