強引部長の独占ジェラシー
12、不安と甘い時間
部長と付き合い始めてから2ヶ月が経とうとしていた。
確かに順調に進んでいた私たち。次の日が休みの時は部長の家に泊まりに行ったり、出掛けたり、なんら不満のない生活ではあったはずなのに私の心にはひとつ、もやもやと積もるものがあった。
「あの……部長!」
「何だ、川島もう寝るぞ」
なぜなら、部長が私を抱いてくれないからだ。
金曜日の夜、仕事が終わりそのまま部長の家に泊めてもらう事になり、少し……いや、かなり期待をして待っていたのだけれど部長は私に手を出すことなく、おやすみ、と呟いてそのまま眠ってしまった。
一つのベッドで同じ場所に一緒に寝ているのに、何もせずにすぐに眠りにつく。近くにいるのに遠い、と思った。
以前ゆっくりと進みたいと言っていた部長。初めのうちは、そう言っていたから、とそこまで気にしなかったのだけど、この間飲みに行った時に、後ろにいた人がまるで私と同じ状況で、耳を澄ませて聞いていた時、相手が言った言葉が私を不安にさせた。
『魅力がないんじゃない?』
魅力がない……。
がん、と石で打ちつけられたようにショックだった。