強引部長の独占ジェラシー
「何か言いたげな顔だな」
「い、いえ。そんなことは……」
見え見えの嘘は簡単に見破られてしまう。
「どうして昨日あの質問をしたのか。か?」
「……っ!」
心の中をピッタリと当てられてしまった私は何も言い返すことか出来なかった。
「川島は分かりやすいな。思ってることが全部顔に出る」
指摘されてかあっと顔に熱が集まった。
恥ずかしい……。
「でも残念だな、質問した意味は自分でもよく分からん」
「へ?」
部長はそう、淡々と答えた。
自分でも分からずに聞いた?そんなことってある?
昨日した質問は部長がフラれたことと、関係していることは確かなのに核心を突く答えでは無かったのがもどかしい。
「少し疑問に思って口走ってみただけだ」
腑に落ちなくて、難し気な顔をしていたら部長はそれを見て言った。
「安心しろ。お前に興味があったからしたわけではない」
「………」
んん?んん?
それって言う必要ありました?
期待のき、の字も与えてくれないのは、いっそのこと清々しいけれど……。もしかして昨日の覗き見したことを根に持ってる?