強引部長の独占ジェラシー
よくよく考えれば、付き合う事になった時も恋を教えてくれないか、とは言われたけれど、好きだとは言われてたことがなかった。私が好きだと言えば、彼はいつも俺も、と返す。そんな反復したものじゃなくて、もっと部長からの言葉が欲しかった。
だからここ最近は本当に、私の事を好きなんだろうかとか、好きの気持ちを知らないと言っていたから、やっぱりまだ私のことも、心から好きだと思えていないんだろうか。とか、とりとめのないことばかりを考えるてしまっている。
もう、分からない。
今までは一緒にいられたらそれで良かったのに、どんどん貪欲になっていく自分にも嫌気が刺した。
「はぁ……」
深いため息をついて、私は部長に背を向け眠りについた。
そして翌日。
土曜日の今日は午後から車で買い物に行こうということになっていたので10時頃、部長を起こしにベッドに向かった。
「おはようございます」
「はよ……」
部長は朝は割と苦手らしく、眉間にシワを寄せながら起き上がる姿がとても可愛い。
「いい匂いがする……」
「もう、ご飯出来てますよ」
私の方が先に目が覚めたので朝ごはんを作って待っていた。