強引部長の独占ジェラシー
「俺もだ。最近ずっと家で過ごしてたからな。
少し車を走らせてのんびり過ごそう」
「はい」
食事を終え、片付けをして準備をすると私達は家を出た。
ドライブも込めて2時間くらいかけて車を走らせると、だんだんと大型ショッピングモールが見えてくる。
ふたりでショッピングをしたり、ランチをしたり、夜になるともう少し走らせてキレイな夜景が見えるレストランでディナーをした。
すごく幸せな休日だった。
すっかり辺りが暗くなった頃、部長の家に帰宅すると家の掛け時計は8時を指していた。
「けっこう遅くなっちゃいましたね」
「そうだな」
部長はそう言いながら、カバンを置くと私に尋ねる。
「コーヒでいいか?」
「あっ、はい……私もやりま」
「いいから」
立ち上がる私を部長は無理やりソファーに座らせると、キッチンに向かう。
からん、からんとスプーンがマグカップにぶつかり音をたてる。
ふんわりと香るコーヒの匂いとともに、部長はひとつのマグカップを私に手渡した。
「ありがとうございます」
受け取ったマグカップを口元に運ぶと、ほっと息をつく。
温かくて、落ち着く……。
私の隣に腰掛けた部長も同じ色のマグカップを持っていた。