強引部長の独占ジェラシー
「……っ。」
ごくり、と喉が鳴る。
部長の真剣な目が私に突き刺さるように向いているけれど、私は咄嗟に目を逸らした。
もう、おしまいかもしれない。
だって、私も好きだって言われていないから。
嫌な予感が駆け巡りじわり、と涙腺が緩んでいく。
その時、部長は言った。
「だから、今からお前に言うのが初めになるな」
「えっ」
ばっ、とうつ向いていた顔を上げた瞬間、部長と目が合った。優しくて、まるで愛おしいものを見つめるような目であった。
「純夏、」
顔の温度がドッと上昇する。
付き合ってから初めてだ……名前を呼ばれたのは。
「お前の事が好きだ。こんなに誰かを愛しいとおもったのは初めてだよ」
そっと伸ばされた手は私の頬に向かい、溢れた涙をすくい取った。不安とか怖さとか一気に吹き飛ばす言葉に、私は再び涙を流した。
「泣かせてしまったな」
幸せの涙。
私しか知らない表情で、部長から初めての言葉を聞けた。
「……うっれ、しくて死んじゃいそうです……」
「死なれたら困る」
部長は私をぎゅっ、と包み込みながら言う。
優しい温もりに包まれて身体を預けると部長は私を安心させるように頭を撫でる。