強引部長の独占ジェラシー
「泣くなよ」
「だって、嬉しくて……っ」
今流れ出る涙が幸せの涙で良かったと思う。
つい数分前まで不安で仕方なかったのに、今は幸せでいっぱいだ。
「不安だったんです……ずっと、部長抱いてくれないのも、そういうことなのかなって思って考えちゃって……」
「ちょっと、待て」
部長は抱きしめていた私の身体をかば、と引き剥がすと、まじまじと私を見ながら言った。
「誘ってるのか?」
「あ、いや、えっと!違うんです!そういう意味じゃなくて……っ」
自分の口走った言葉の意味がようやく分かり、ぶんぶんと首を振る。しかし、部長は見逃さなかったぞ、とばかりに私に詰め寄った。
「なるほど?」
「違うんです、本当に」
「どこが違うんだ?」
私の髪をさらりと撫でてからその髪を耳にかける。
その仕草に恥ずかしくなって、私は意識を逸らすように咄嗟にテレビのチャンネルに手を伸ばした。
「テ、テレビでも見ましょう!」
「見ない」
しかし、私の腕はチャンネルに届くことなく、ずるりと部長の方に引き戻される。
ゆっくりと私の事をソファーに押し倒す部長と目が合った。
「ま、待ってください……っ」