強引部長の独占ジェラシー
チラっと部長を盗み見ると、そこにはニヤリと勝ち誇った顔を向ける彼がいた。
あっ、ワザと言ったんだな……。
そんな顔をする部長は初めて見たかも。
憎らしい答えだけど、心はちょっと可愛らしいな、なんて思ったことは私の心の中に留めておく。
「それにしてもビックリしますよ。キスが出来るか、なんて突然……」
「悪かったな」
次の言葉が見つからなくて、このままだと話が終わるんだというこもはなんとなく想像出来た。
聞きたい、踏み込みたい好奇心がここで終わらせるのはもったいないとばかりに騒ぎ出す。
あの質問の意図を探りたい。
たぶん、疲れていたのもあっただろう。私は思わず思っていることをそのまま口にしてしまった。
「あんなこと聞くってことは、部長って実は遊んでいたりとか……それともキスが出来ないタイプの人だったりとか……」
はっ、と我に返るけれどもう遅い。
私から出た言葉を部長は拾って、考える素振りを見せながらアゴに手を添えた。
「……ほーう?」
「あ、あの、違うんです。今のは間違えたといいますか、考えも無しに言ってしまったというか……すみません」
ああもう、何を言っているんだろう
弁解も十分に出来ずにしどろもどろになっている私を部長はじっと見つめる。