強引部長の独占ジェラシー





朝。
カーテンの隙間から降り注ぐ光で自然と目が覚めた。

ぼんやりと、すぐ隣に部長が視界に入ってきたことで、幸福感に包まれる。

この瞬間を名残惜しいと思いつつも、私は身体を起こした。


キッチンに向かえば、昨日買ったパンケーキの粉がドンっと置かれていてふと、笑みが溢れる。

いつも朝はご飯派の部長が朝パンケーキが流行っているのを見て、ちょっと興味があるなとつぶやいたことがきっかけで、今日の朝はパンケーキになった。


生地を作っていると、部長が起きてきた。


「おはようございます」

「おはよう」


やわらかく頬笑んで、私の背後から覗き込む。見てないけれど、わくわくしていることにすぐ分かった。

なんだか、可愛いな……。


出来上がった生地を熱したフライパンに乗せ、薄く焼き上げる。その隣で部長はドリップしたコーヒを入れてくれた。

両面がこんがりときつね色になるまで焼くと、火を止めてパンケーキを皿へ乗せる。

3枚を上手く重ね上げ、バターも忘れずに、そっとそこに落とすと、ゆっくりと溶けだした。

昨日買ったメイプルシロップも忘れずに、かければ甘い香りが鼻をくすぐる。

これで完成だ。


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