強引部長の独占ジェラシー
仕事中。
積もりに積もった書類のチェックをして、遅めの昼食を取った。気分転換をしたくて、少し風の強い屋上に出て、外の空気を吸うと気分が僅かに楽になった。
今日も帰りは遅くなりそうだな。
川島には会えないか……。そんなことを考えていた時。
「部長」
背後からひょこんと川島が顔を出した。
「川島か!驚いた……全然気づかなかった」
「お疲れかなあと思ったんですが、さっき後ろ姿見かけたんで後つけちゃいました」
えへ、っと笑顔を見せる彼女に胸がきゅんと音を立てる。
ああ、可愛いな。
ここが職場だということを忘れて包み込んでしまいそうだ。
「どうぞ」
すると川島は俺がいつも飲んでいる缶コーヒーを手渡した。
「ここ、皺寄ってますよ。あんまり無理しないで下さいね」
「ああ、ありがとう」
ここ最近彼女と一緒にいられる時間が取れていなかった。怒涛の忙しさだ。しばらくはこの忙しさが続くことは分かってる。
会えないことを嘆いても仕方ないのに、最近の彼女は要領が良すぎて、少し寂しくなる。
「私のことは気にしないで、夜もしっかり休んで下さいね」
正直、俺はもう限界だ。