強引部長の独占ジェラシー
「ふっ、」
そりゃ、俺も不器用になるわけだ。
だってこんなにも愛しい彼女が今目の前にいるのだから。
「実は今日はどうしても言いたいことがあるんだ……」
「えっ、」
すると、川島は不安げな顔をして俺を見つめた。
「川島、俺は前に言ったな。愛するという感情が分からないと」
「はい……」
じっ、と俺のことを見つめる川島の瞳は不安げに揺れていた。
そんな顔させたくなくて、俺はしっかりと川島を見つめて言う。
「だけど今は違う」
俺の家から自分の家に帰っていく川島に寂しさを覚えたり、急に川島の飯が食べたいと思ったり、いつかお帰りなさいと言われてみたいと思ったり、ずっと自分の側にいて欲しいと思う。
ふとした瞬間に、思うこの気持ちが何であるのか分かっていた。
その時からずっとこの気持ちを言葉にしようと考えてきた。
初めて思った。
初めて感じたこの気持ちを言葉にするなら……。
「純夏、愛してる」
この言葉がぴったりだろう。
愛してるなんて、今まで鼻で笑って来た言葉を今は伝えたくて仕方ないのだから不思議だと思う。
俺は胸ポケットから小さな箱を取り出した。