強引部長の独占ジェラシー
そして、それを開けて川島の前に差し出す。
「川島純夏さん、結婚してください」
「……っ、」
彼女は信じられないという顔をしてぱちり、ぱちりと瞬きをした。
小さな箱の中には、きっと川島に似合うであろうダイヤモンドの指輪が入ってる。
「……ぶ、ちょ……っ」
自分の冷え固まった心のテリトリーに初めて足を踏み込んで来た相手。そんな相手を大事にしていきたいと思った。
きらり、と光る指輪が川島の顔を照らす。目には涙が溜まり、やがてそれは頬を伝って流れ落ちた。
この指輪のダイヤのように綺麗だと思った。
「部長……は、私のことっ、本当に好きなんですか……」
「ははっ、今それを言うのか?」
「だって……不安なんです。部長は完璧でなんでも出来て……」
「そうでもないさ」
愛というもので人がこんなにも変わることを知らなかった。
彼女のことになると、こんなにも余裕が無くなる自分がいることも。
「本当に好きか、……それは愚問だな」
そんなこと聞かれるまでもない。
「愛してるよ、純夏。
俺がお前のことを一生幸せにする」
まっすぐに川島を捉えて、俺は言う。