強引部長の独占ジェラシー
結婚はしたい、けどふとした瞬間、もしかしたら私、結婚しないのかも。と思ってしまう時がある。
少し前は自分が送っている生活の中で素敵な人と出会って、好きだって思った人と結婚して、幸せな家庭を築きたい。なんて夢があったけれど、現実はそう甘くない。
昔それを伝えた時に母から、子供っぽい事言ってると一生相手出来ないわよ!と言われたことがぴたりと当たっていてぞっとする。
いい出会いがあれば、なんて受け身になっていたらいつまでもこのままだってことは分かってるんだけど……。
「お隣に住んでた吉野さんの所の娘さんも、来月海外で結婚式を挙げるって言ってたわよ」
「そうなんだ……」
いい人なんてそうそう見つからない。
いたとしても、きっと”俺にも選ぶ権利がある”とか言われそうだし。
はぁ……。
母は頑張りなさいよ、と言ってから電話を切った。頑張りなさいって言われてもね……。
私はふぅ、っと温かい空気を吐き出して、そのまま家に帰ったのだった。
案の定、ドアの隙間に挟まっていた不在票を取ってから中に入る。