強引部長の独占ジェラシー
きっと他の女の子にもそうやって話しかけてるんだろうな……。
河原くんの噂はあまり良い噂を聞かない。特に女の子関連は。合コンした女の子お持ち帰りしたとか、社内の可愛い子を狙ってるとかそういう噂を耳にすることが多かった。
この前飲みに行った時も「好き~」なんて言って抱き着いて来たり絡み酒がすごくて、正直参ってしまった。
「うーん、ごめん。また今度」
「え〜じゃあいい時、絶対連絡してな?絶対」
「分かった」
にこっと作った笑顔を浮かべると、彼は満足げに去って行った。
人柄はいいんだけどね。
飲みに行くなら私の体調が万全の時じゃないとついていけない。
それに、今日は早く終わらせて夜届くであろう野菜で野菜カレーを作って、お酒でも飲みながらゆっくりテレビを見たい。
今日こそは早く仕事を終わらせるぞ。
パソコンと向き合い、私は新規のデザイン案を黙々と作っていった。
そして昼休憩の時間。
キリがいいところで切り上げ、入力したデータを保存すると私は仕事を中断し昼食をとることにした。
デスクの横にかけておいた巾着を持ち、あまり人が使わない奥のテラスに向かう。デザイン部は休憩に入る時間が決められていない。定められた時間取ればよしとされているので、私はいつも広報などの一斉休憩とかぶらないように休憩を取っていた。