強引部長の独占ジェラシー
作って来たお弁当を持ち、テラスに向かう途中にある自販機に向かう。
こうみえても料理は得意で、毎日お弁当を作っている。
まぁ、それも作ってあげる人はいないから意味はないんだけど。
自販機の前に立ち、お金を入れてお茶のボタンを押すと背後から人の気配がした。慌てて出てきたお茶をとって、その場所を譲る。
すると、そこには部長の姿があった。
「あ、部長。お疲れ様です」
「ん。お疲れ」
眉間にシワが寄ったまま、そう答える部長。
頭でも痛いのかな?
部長はだいぶお疲れのようで、気だるげに缶コーヒーのボタンを押した。
コーヒーはブラック派か……。
ーーガコン。
取り出し口に出て来た缶を片手でとると、自販機の横の壁に寄りかかりながら、それを片手で開ける部長。
ーープシュ。
カッコイイ……。
なんだかその流れが様になっていて思わず、歩く足を止めてしまった。まるで、缶コーヒーのCMをみているみたいだ。
「何だ、川島。」
「い、いえ……」
もちろん、そんな事言えるわけなくてなんもないフリをすると、部長は深いため息をついた。
「はぁ……」
ため息の理由は仕事のことだろうか。
それともやっぱり元カノのこと?