強引部長の独占ジェラシー
川島純夏(かわしますみか)現在25才。
デザイン部に配属され早3年が経った。
目立ちすぎず、目立たなさすぎずをモットーに!……してるつもりはないのに、気づけば地味な生活を送っていた。
デザインはセンスだ。
昔はよくセンスがあると言われたものだったけど、今実際に仕事をしてみるとそんなものは単なるお世辞に過ぎなかったのだと痛感した。
仕事はそこそこ。それでも、プライベートは充実してるんです。なんて言えたらいいのだけれど、そんな言葉でさえも言うことが出来ないのだから本当に笑うしかないなあと思う。
「川島さんねー可愛いと思うよ、俺はタイプじゃないけど」
「ちょっと鈍臭いよね〜あ、悪口じゃないんだよ?」
聞えてますけど……。
可もなく、不可もなく。イメージを聞くとみんなが口を揃えて普通と表現する。
完璧だなんて人生に1度は言われてみたい。
ふぅ、っと深くため息をつくと、広報の女性社員の声が聞こえて来た。
「ねぇ、部長に彼女いると思う?」
「いるに決まってるじゃん」
女子の恋バナにしょっちゅう出て来る部長は、不思議なことに結婚をしていない。イケメンに指輪があるか無いか、なんて相手がいない女性ならギラリと目を光らせてみるところだ。