強引部長の独占ジェラシー
将来有能な彼とゴールインして、寿退社。誰もが夢見る幸せな生活だけれど、夢は夢。そういう人は実は結婚間近なキレイな女性がいたりするものだ。
「15時に外出するから後のことは頼んだぞ」
チラっと部長を盗み見る。
さっき散々言ったけど、実は私も部長が気になっている1人だったりする。それはもちろん完璧な部長と結婚して寿退社!なんて意味ではなく、あの完璧な部長にどんな欠点があるのか、気になって仕方ないのだ。
知りたい、見てみたい、その子供のような好奇心が私の心を掻き立てる。
゛完璧に見える人は存在しても完璧な人は存在しない”
以前テレビでこんなことを言っていた人がいたのを見たことがある。もしそうであるならば、この部長にもなにかしら欠点はあるはずだ。
そんなことを考えていた矢先、後ろからポンっと、肩を叩かれた。
「おい、川島。ボケっとするなよ。」
「わっ、あ、はい!」
反射的に返事をして、振り向けばそこにはコーヒー缶を片手に持った部長がいる。
「部長……!」
「この企画書の今日までだからな」
「あ、はい」
でもやっぱりカッコいいな……。
なんてぼーっと見惚れていたらはっ、と我に返った。
「え、っと……この企画書今日まで……ですか!?」