強引部長の独占ジェラシー
4、呑み会と河原くんの真剣な言葉
昨日はあの後ーー……。
しばらく休ませてもらうと、部長は「送る」と言って私を車に乗せ家まで送ってくれた。
車で行くと意外にも部長の家から近いことに気づいたり、家の前について「ゆっくり休めよ」なんて柔らかな口調で言われてきゅんっとしたり、とにかく忙しかった私の心臓。その反動があったのか、家に着くとドっと疲れがやって来た。
疲れたけど、幸せな時間だったな……。
土曜日、日曜日と休んで出勤した今日もまだまだ余韻が残っていて、私は朝から部長のことを考えていた。
「すーみかちゃんっ、」
「わっ!」
自分のデスクに座り、パソコンを立ち上げていた時、突然後ろから河原君が声をかけて来た。
「何ぼーっとしてるの?」
「いや、ちょっと考え事を……」
「もしかして何か悩みでもあるの?」
「いやいやいや、大したことはないよ」
河原くんに悩み事なんて言ったら面倒くさくなる。そう思った私は全力で首を振ると、彼はつまらなそうに口を尖らせて言った。
「つれないなあ……俺ってそんなに頼りない?」
「そういうわけじゃ……」
「じゃあご飯でも行こうよ。ゆっくり話聞くよ?」
またそれか……。河原くんって強情なんだよね。
何度誘いを断っても諦めてくれない。
きっと一度行くまではずっとこの調子だろう。
そう考えた私はせめてもの抵抗として妥協案を出した。