強引部長の独占ジェラシー
「もう12時だ……」
集中すると時間というのはあっという間なもので、気づけばお昼の時間になっていた。
周りの社員が一旦仕事を切り上げてオフィスから消えて行く。私も中断して切り上げると、会社のロビーで河原くんと待ち合わせをした。
「お疲れ、純夏ちゃん」
「お疲れ様」
「ここの近くに美味しいお店があるから行こうよ」
私はこくんと頷いた。
オフィス街が立ち並ぶ一角に建てられた私たちの会社はお昼時、お店がどこも混んでいる。私はそれが嫌でいつもお弁当を持ってきていたけど……。
河原くんは外回りなので、外で食べることが多いらしく、慣れた足取りでお店に向かった。
「ここだよ」
やって来たのは会社から歩いて5分のところにある小さな隠れ家的なお店だった。
「ここ美味しいけど、そこまで混んでないから俺の穴場なんだ」
「すごい……こんな所あるなんて知らなかった」
会社に2年近く通っているのに、全く知らないところがあるなんて……。
中に入ってみると、店内も可愛らしく飾りつけがしてあっ、て落ち着いてご飯を食べられそうだった。
「こちらの席にどうぞ」
店員さんに案内されて席に座ると、さっそくメニューを渡される。
ハンバーグのランチセットに飲み物とサラダとデザートが付くというのを見て私は即決した。