強引部長の独占ジェラシー



どの色がいいか、どの場所がいいのか見比べる作業はパソコンの画面を眺めている時間が長く目がチカチカし始めた。

何度か目薬を打ったけれど、あまり効果はなく、私はぎゅっと目頭を押さえた。


「そこ、ロゴの文字違ってるぞ」

「あ、部長……」


背後から声をかけて来たのは、朝エントランスですれ違って以来、見かけるのとのなかった部長で、私は僅かに肩に力が入るのが分かった。


「そこの文字AじゃなくてO」

「あ……本当だ。今直します」


キーボードを打ちながらミスした所を直していると部長は私にだけ聞こえるくらいの声でつぶやいた。


「今日は昼、来なかったんだな」

「え……?」

「自販機」

「あ、はい。今日のお昼は外で食べてたので……」


ちらり、と周りを見て見られていないか確認する。私はドキドキを隠すようにうつむき加減で話していた。


「そうだったのか」

もしかして、来ると思って待っててくれたのかな?


なんて自分に都合のいい解釈をして、頬が緩んだ。

自惚れでもいい。
あの日、少しは部長に近づけたと思ってもいいよね?


「あの後……体調大丈夫でした?」


さらに声のボリュームを落として聞くと、部長も私に合わせた声の大きさで言う。

「ああ、少し頭痛が残っていたがな。今度は、酒はやめとくか」

「そうですね」


くすりと笑いながら何気なく答えた言葉に疑問を持った。


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