強引部長の独占ジェラシー
「大変だったね、こんな遅くまで」
「うん。急遽入った仕事だったから……でも部長が手伝ってくれて、思ってたより早く来れた」
「ずーっと待ってたんだよ、純夏ちゃんいないから寂しかった〜」
はいはいと受け流して、おつまみの枝豆を一つ口にする。すると、店員さんが部長の頼んだ生ビールと私のカクテルを持ってきた。
「では、部長も来たということでももう一度仕切り直しまして……カンパーイ!!」
「「カンパーイ」」
持っていたグラスを合わせると、みんな盛り上がってゴクゴクとお酒を飲み出した。
「うーはーっ!美味い」
半分以上残っていた河原くんのグラスはあっという間に空になる。そしてすぐに次のお酒を頼むと河原くんは言った。
「純夏ちゃん。さっ、どんどん飲んでどんどん食べて」
「うん」
相当酔ってるな。
ベタベタ私に触れながら私の目の前に残った料理をかき集めてくる。
すると、河原くんの対面に座っている営業部の江川さんが言った。
「川島さんは河原くんで、お前は純夏ちゃんって呼んでるんだな」
江川さんは私たちの3つ上の上司。営業部であまり関わることがないものの、廊下ですれ違ったりすると必ず声をかけてくれる気さくな人だ。
「そお〜なんですよ!全然俺の名前呼んでくれないです」