強引部長の独占ジェラシー
ただそのイベントに参加出来るのは企画に携わった人のみと決まっていた。
「いいんでしょうか、私が参加しても」
「ああ、社長にも了承済みだ。こういうイベントで刺激をもらう機会は多い方がいいからな……昼食をとったらにエントランスに来てくれ」
「はい、分かりました」
私は返事をした後、自動販売機でお茶を買ってその場所を離れた。
テラスでお昼を食べながら、最近は部長と一緒に仕事をする機会が多いなあなんて思っていた。
そして、13時半頃。
外出する準備をして私はエントランスにやって来た。
「川島、こっちだ。」
部長が手招きする先には、すでに呼びつけていたタクシーが待っていて、部長が乗り込むのを見て、私も慌てて後に続いた。
会場は車ならここから30分くらいで行けるだろう。
隣に部長がいると思うと少し緊張する。
ちらり、と隣を盗み見ると、部長はシートに深く身を預けていた。
「お前といると、少し気が楽だな」
ふぅ、と息づいてそんなこと言うもんだから心臓がぎゅっと掴まれたような気持ちになる。
そんなこと、部長は知りもしないんだろうな。
ドキ、ドキと鳴る心臓を隠すように私は話を変えた。