強引部長の独占ジェラシー
車から降りた私達は、ビルに入り受付を済ませる。
8階にて行われているイベントは一般開放はされていないものの出入り自由のようで出て来る人やこれから向かう人たちで溢れていた。
「こちらパンフレットになります」
イベントの入り口にて去年会社で目にしたパンフレットをもらう。
「うちのスペースは奥の壁際だ」
前回ただパンフレットの文字を眺めていただけだったのとは違って今回は生で見ることが出来る。奥に進むたび、私の胸は高鳴っていった。
「こちらは、年に原案が完成し……」
イベント会場にはそれぞれ製作者たちが横に立っていて、作る行程や経緯などを説明している。
自分もいつか、ここに来て説明する側の立場になれるんだろうか。
なれたら、いいな……。
そんなことを思っていた頃。
「部長、お疲れ様です」
私たちのブースの前で企画に携わった社員たちが声をかけた。
「お疲れ、どんな感じだ?」
「はい、色んな方が見に来てくれましたよ。先ほど中央出版さんも来られましたし、次の新しい企画が楽しみだと言っていました」
「そうか、それは良かった」
「後、美扇堂の片桐さんという方が部長と話したいと」
「ああ、片桐なら知り合いだ。後で話に行く、引き続きよろしく頼むよ」