WHAT COLOR IS LOVE
花火
光なんて、一度も見えなかった。
でも、悔いはない。
私には何にもなかった。
もともと。愛すらも。
与えることができないのに、与えられたいと願うなんて。
そんな自分勝手がまかり通る世界なんて、あってたまるか。
見渡す限り、黒、黒、黒。
そこには、光もなく、闇もないのだ。

「花火を見に行こうか。
 月も、星もかすむほどの光。
 精一杯花開いて、一瞬で終わる幻。
 でも、どうだい?
 君の脳ミソは、もう忘れちまったかい?」

肝心なとこ、いつも聞き逃すんだ。
大丈夫。大丈夫。って。
なんども、なんども君が言うから。
余計に不安になって。
この真っ黒い道を、一体どうやって歩いて来たのか。
一体どうやって歩いて行けばいいのか。
なんにもわからなくなっちゃうんだよ。

「どうして?
君は確かに生きてるじゃないか」

脳天気もたいがいにして。
たったひとりで、肉体が在っても、生きているとは言わない。

「じゃあ、生きてるってなんだよ?」
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