WHAT COLOR IS LOVE
君も今、僕が口にしてしまったことで、やっと悲しかったことを知ったんだね。
やっと、本当のことになったんだね。
僕も今、やっと知った。
君は、僕を、好きだね?
でも、ごめんよ。
僕には、守るべき優しい人がいる。
「僕は、君を、守ってあげられないんだ」
君の手をとることはできない。
ふりむいて、君を導くことはできない。
「守ってなんか、くれなくていいから」
君の言葉には、迷いがない。
強がりも、見栄もない。
ただ、本当のことを、君は言う。
「アタシを、好きになってよ」
君を……好きに……?
意外だった。
考えたこともなかった。
君が僕に、好きになってほしいと望んでいるなんて。
僕といて、ただ楽しくて仕方がなくて。
僕を好きで、仕方がなくて。
君はただ、僕に手をひいてほしいだけだと。
ふりむいて、ここにいることを教えてほしいだけだと。
ずっとずっと、思ってたんだよ。
「あなたが、本当のことを言ってくれたから」
君は、僕の手をそっと握った。
僕は、いつもみたいに、ふざけて離したりしない。
できない。
「アタシも本当のことを言うね」
原色の光が、ゆらぐのをやめた。
強烈な色が目に入る。
「アタシの理由は、全部、あなたが好きなだけなの」
君の言うことは、意味不明。
到底、君を、理解はできない。
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