WHAT COLOR IS LOVE
「だから、他にそばにいてあげたい人がいるなら」
そばにいてあげたい?
いるべきでも、いなければならないでもなく?
「アタシは、あなたには、もう、会わない」
ゆっくりと、君は言った。
嘘じゃないと確実にわかる言葉で。
「これは、アタシの、意志」
君に、もう、会えない?
そんなことは有り得ない。
君には会いたい。会いたいよ。
君は、どんなことがあっても、僕についてくると思ってた。
僕が、その手をとらなくても。
僕がたとえ、ふりむかなくても。
君には会えると思ってた。
君は、どこまでも僕についてくると。
「アタシを好きにならないあなたなんか、イラナイ」
僕を?この、僕を?
好きで好きで仕方ない、この僕を?
君はなくせるの?
「だって、そんなの、悲しくて、泣けない」
君は、僕の手を離した。
君が、先に、僕の手を、離した。
僕は思わず泣いていた。
嫌だ。嫌だよ。
君に会えないのは嫌だよ。
君の本当のことは、残酷だ。
「アタシを、好きになってよ」
君を好きになれば、それだけでいいの?
あの優しい人のそばにいてもいいの?
それでも、君に会える?
いや。
君は許してくれない。
きっと、許してくれない。
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